ユニプレス、DX推進をInforLoomで加速。部品番号管理から始まるLLM活用の未来戦略

ユニプレス株式会社様は、部品番号をキーとしたデータ連携の実現に加え、内製開発による柔軟なシステム構築を推進しています。さらに、データの蓄積を進めることで、将来的にはLLMを活用した業務高度化への展開も視野に入れています。今回、導入プロセスや得られた成果、今後の展望について詳しくお話を伺いました。

右:ユニプレス株式会社 総合戦略企画室 次長 西尾三郎 様
左:ユニプレス株式会社 総合戦略企画室 デジタル改革推進グループ 堀博貴 様

ホームページ:ユニプレス株式会社様

導入前はどのような課題を感じていましたか?

右:UEL株式会社 企画統括本部 Techデザイン企画部 鄭秋宝
左:UEL株式会社 企画統括本部 Techデザイン企画部 永岡大樹

2030年に労働人口が減少すると予測される中、当社では業務効率を2倍に引き上げなければならないと考えました。そのため、業務効率化を進めるべくIT技術の導入を検討し始めました。しかし、2020年当時は社内のデータが各部署に散らばっており、これが効率化の大きな妨げとなっていました。

そこで2021年からは、まずデータを集めることに取り組み、2022年にはその蓄積に注力し、2023年には資料の転記作業などの工数削減を進めました。一方、それらのデータを一貫して管理できる仕組みがなく、業務の各フェーズで部品番号が連携されていないことも大きな課題でした。

このため、情報がつながらず、転記や調整などの手作業が増えてしまい、多くの時間が無駄になっていることに気付きました。特に、部品番号が部署間で統一されていないことが、業務の流れをスムーズに進められない原因になっており、部品番号をキーとして業務を一貫して管理できる仕組みが必要だと気付きました。

なぜ、InforLoomの導入を決めましたか?

部品番号連携システムの構築にあたって、当社ではいくつかの具体的な要件がありました。まず、見積から量産に至るまでの業務全体を通して、部品番号を一貫して管理・連携できる仕組みを作ること。そして、業務プロセス全体の効率化を図るために、柔軟にカスタマイズが可能なシステムであることが重要でした。

いくつかの製品を比較検討した中で、InforLoomを選定した理由は、大きく分けて2つあります。

1つ目は、他社製品ではオプションとして提供されている機能が、InforLoomでは標準で実装されていたことです。たとえば、部品構成の一元管理やデータ連携に必要な機能が標準で備わっており、追加開発のコストや手間を抑えることができました。

2つ目は、ローコードで開発が可能な点です。当社は「システムは内製化する」という方針を掲げており、システムの仕組みやノウハウを社内に蓄積していくことを重視しています。その点で、InforLoomは複雑なプログラミングを必要とせず、誰でも簡単に項目を追加したり設定を変更したりできるため、内製開発に非常に適していると感じました。

また、PoC(概念実証)を実施した結果、InforLoomの標準機能だけで当社の要件を十分に満たすことが確認できた点も、導入を決める大きな要因となりました。3ヶ月間のPoCを通じて、BOM管理機能や部品構成の比較機能など、求めていた機能が実際に運用可能であることを確認できました。以上の理由から、InforLoomは機能面・開発面の両方で当社のニーズにマッチしていると判断し、導入を決定しました。

InforLoomをどのような用途で利用していますか?

 現在、InforLoomは主に「部品番号連携システム」として活用しています。当社では、見積から量産に至るまでの各フェーズにおいて、部品番号をキーとした一元管理が大きな課題となっていました。開発・設計段階から生産段階に至るまで、部門間で生成される膨大なデータが分散しており、それを統合的に管理・活用する必要がありました。InforLoomを活用することで、部品番号を中心にデータを収集し、それをシームレスに連携する仕組みを構築しています。

また、BOM(部品構成表)管理にも活用しています。PoCの段階で検証した結果、InforLoomでは部品構成を視覚的かつ効率的に表現できるだけでなく、過去と現在の部品構成を比較する機能も確認できました。これにより、変更点を迅速に把握し、必要な調整を行うことが可能になりました。

さらに、InforLoomに付属する専用開発ツールを活用し、項目の追加や設定変更を内製で行っています。このツールは直感的で使いやすく、ローコード開発に対応しているため、複雑なプログラミングのスキルがなくても誰でも簡単に操作できます。この柔軟性により、運用しながら必要に応じて機能を拡張できる点が非常に有用だと感じています。

導入した成果を感じるポイントを教えて下さい

InforLoomを導入したことで、まず大きく成果を感じているのは、部品番号をキーにしたデータの一元管理と連携が可能になった点です。これにより、これまで分散していた情報を統合し、部門間で効率的にデータを活用できる環境を構築することができました。以前は見積から量産までの各フェーズで部品番号がつながらない問題があり、それが業務プロセスの効率化を妨げる要因となっていました。しかし、InforLoomを活用することで、部品番号を中心に業務の流れを一気通貫で管理できるようになり、業務全体の透明性とスピードが向上しました。

さらに、BOM(部品構成表)管理の効率化も大きな成果の一つです。InforLoomでは部品構成を視覚的に表現でき、構成変更の履歴や比較を容易に行える機能が標準搭載されています。これにより、過去の構成と現在の構成を比較して変更点を即座に把握し、対応できるようになりました。この機能は、特に変更管理において非常に有用であり、業務工数の削減に直結しています。

また、開発プロセスでも成果を感じています。InforLoomに付属する専用開発ツールを活用することで、複雑なプログラムを書くことなく、内製で項目の追加や設定変更が可能になりました。これにより、柔軟性が向上するとともに、システムの運用・拡張のスピードが大幅に上がり、必要な変更にも迅速に対応できるようになりました。

こうした成果を通じて、データ活用の効率化と業務全体の生産性向上に確かな手応えを感じています。今後も蓄積したデータを活用し、さらなる業務効率化や新しい活用方法を模索していきたいと考えています。

InforLoom のご利用について満足度を教えて下さい

InforLoomを利用してみて、満足しています。特に、導入前に抱えていた「部品番号の一元管理」や「情報の連携」といった課題に対して、期待通りの効果を感じています。システムとしての柔軟性が高く、当社の業務ニーズに応じたカスタマイズが内製で容易にできる点は非常に魅力的です。

ローコード開発に対応しているため、社内でシステムの項目を追加したり、変更を行ったりすることが簡単にできるのも大きなポイントです。当社は「システムを内製化し、ノウハウを社内に残す」という方針を掲げているため、複雑なプログラミングスキルが不要で、現場主導でシステム開発を進められる点も満足しています。

また、実際の運用を通じて、「やりたい」とイメージしていたことが再現可能であることを確認できました。特に、BOM(部品構成表)管理の精度向上や、構成変更の比較機能は、当初の期待通りのものでした。視覚的に情報が整理され、業務効率化に大きく寄与していると感じています。

一方で、今後の課題としては、システムを使いやすい製品に仕上げるため、さらにユーザー目線で作り込んでいく必要があると考えています。現在の段階でも高い満足度を感じていますが、運用を進める中で得られるフィードバックを基に、InforLoomの機能をさらに磨き上げていきたいと思っています。

InforLoom はどのような会社におすすめでしょうか?

まず、データの一元管理・共有システムを導入していない企業に非常に適しています。InforLoomは、見積から量産までのプロセスを一貫して管理し、部品番号をキーにしたデータ連携を実現できるシステムです。特に、製品データや部品情報が分散している場合でも、InforLoomを活用することで情報を統合し、効率的なデータ管理が可能になります。データの一元管理・共有システムの導入をこれから検討する企業にとって、基盤となるシステムとして非常に有用です。

次に、業務効率化に取り組みたいと考えている企業におすすめです。InforLoomは、業務プロセス全体の効率化を支援する多彩な機能を備えています。たとえば、BOM(部品構成表)の管理や、部門間でのデータ共有・連携機能により、これまで手作業や転記作業に費やしていた時間を大幅に削減できます。これにより、InforLoomを中心とし、様々なツールと組み合わせることで付加価値の低い業務を自動化し、生産性を向上させることができます。

業務効率化を検討しているものの、具体的なイメージを持てていない企業にもおすすめです。InforLoomはPoC(概念実証)を短期間で実施でき、数ヶ月のトライアルを通じて、システムが実際にどのように業務に適用できるかを明確に確認することが可能です。当社でも3ヶ月間のPoCを通じて、機能が十分に要件を満たしていることを確認できました。さらに、導入後も技術支援やフォローがしっかりしているため、安心して導入を進められる点も魅力です。

今後、InforLoomを使ってやっていきたいこと

今後は、社内の手配関連業務をより効率的に進めるために、InforLoomを活用していきたいと考えています。具体的には、ワークフローとデータの蓄積をさらに強化し、業務プロセス全体をInforLoomの中で管理できるような仕組みを構築していく予定です。これにより、情報が分断されることなく、全体の流れを一元化できることを期待しています。

また、InforLoomを通じて蓄積したデータをベースに、今後はLLMを活用した業務高度化に取り組みたいと考えています。たとえば、過去のデータをもとにした予測分析や、業務の意思決定を支援するツールとしての活用を視野に入れています。これにより、さらなる業務効率化や生産性の向上が見込めると考えています。

さらに、InforLoomの持つ柔軟なカスタマイズ機能を活かしながら、業務ニーズに応じて機能を拡張していく予定です。特に、部門間の情報連携を強化し、日々の業務における手作業や転記作業を削減していきたいと思います。これにより、従業員が付加価値の高い業務に集中できる環境を整えていくことが目標です。

今後も、DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環としてInforLoomを活用し、データ活用の幅を広げながら、業務全体の効率化と生産性向上を継続的に推進していきたいと考えています。